創作田園地帯

楽式論

目次


第一章 一部形式
第二章 二部形式
第三章 三部形式
第四章 複合三部形式
第五章 変奏曲形式
第六章 ロンド形式
第七章 ソナタ形式
第八章 カノン
第九章 フーガ
第十章 多楽章形式


既に明確な楽式を持たない音楽が氾濫している中にあって、 今更ながら古典的な楽式を学ぶ必要があるのかと問われるかも知れない。 しかし学ぶ意義は充分にあるだろう。 例えば歴史として見なせば、 いにしえの楽聖らの作品を理解する術ともなるし、 それは同時に近代以降の楽式にとらわれない音楽への理解にもつながるだろう。 また楽式に従いつつ新たな解釈によって、 創作としての材料に使うことも依然として可能である。 要するに発想の素材の一つとして、 楽式論を吸収することは決して無駄ではないのである。

本書は最も中核となる基礎的な楽式のみを用い、 従来よりも柔軟な姿勢で分析を進めて行く。 読者がそれぞれに工夫を加えれるよう、 応用の幅を持たせた説明を心がけたつもりである。 そのために話が必要以上に抽象的に感じるかも知れないが、 我慢して読み進めて行って欲しい。 本書が音楽の理解に、作曲の道具に、 少しでも役立つことが出来たならば、 作者にとってこれほど喜ばしいことはない。

平成14年8月20日

目次 /


制作/創作田園地帯  2002/08/20初出
無断転載を禁じます。リンクはご自由にどうぞ。
Copyright © 2002-2005 Yoshinori SUDA. All rights reserved.